2017.08.22

定期借家契約と普通借家契約って?賃貸経営に有利なのは!?

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賃貸経営を行われているオーナー様でも「定期借家契約」という言葉を初めて聞いたという方もいらっしゃるかもしれません。
簡単に申し上げると、賃貸契約には「普通借家契約」と「定期借家契約」の2つが存在しており、定期借家契約は自己所有の物件に対する賃貸契約の種類の一つなのです。

今回は、これらの契約の違いや、メリットデメリットについて解説させていただきます。

普通借家契約と定期借家契約の違いを分かりやすく解説!

契約云々のお話となると難しい用語が出てきそうですが、極力分かりやすくご説明させていただきます。
まず、端的に申し上げますと、普段私たちがよく目にしている賃貸契約が「普通借家契約」です。
つまり、普通借家契約ではないものが「定期借家契約」であるということだけ、まずは覚えていただければ良いでしょう。

では、普通借家契約の主な特徴を見てましょう。

普通借家契約

一般的な認識ですと、普通借家契約の定義は「2年ごとに更新するアパート、マンション、戸建ての賃貸契約」といったところかと思います。
これに補足すると「1年未満の契約はできない」という定めがあることで、契約期間を1年未満とした場合は、「期間の定めがない契約」と見なされます。
また、貸主サイドから見た時の注意点は、「借主が契約の更新を希望している場合は、正当な理由がない限り、更新を断ったり、解約をするという事ができない」と決められています。

これらの普通借家契約の特徴をまとめると以下のとおりとなります。

  • 1年未満の契約は原則不可。
  • 1年未満とした場合は期間の定めがないものとして判断される。(借地借家法29条)
  • 一般的に最も多い契約期間は2年ごとの更新。
  • 契約期間の更新を入居者が希望する場合は、正当な理由がない限り、断る事が出来ない。(借地借家法28条)

定期借家契約

一方、定期借家契約については、少々難しくなります。

契約期間については基本的に自由です。
1年以上という縛りもありませんし、双方の納得いく形で了承が得られれば期間の上限もありませんので、ウン十年という契約期間であったとしても全く問題ありませんが、普通借家と違って「更新」という概念がありませんので、契約期間が終了したら契約も終了として明け渡しを行う必要があります。

その代わり、お互いの話の中で「再契約」の話が持ち上がるようでしたら、その限りではありません。
更に定期借家契約は、上記の「契約期間の満了を持って解約です」という事前の説明と、1年以上の契約の物件であれば期間満了の6ヶ月〜1年前までの間に「期間がきたら解約ですよ」という通知が必要となり、これらの説明、通知がない場合は普通借家とみなされます。

さてでは、定期借家契約の特徴をまとめてみましょう。

  • 1年未満の契約が可能。
  • 契約期間の上限の定めはない。
  • 契約期間の満了で賃貸終了、また更新も無い旨は事前に説明が必須。(借地借家法38条2項)
  • 説明のないまま契約したら、更新がないという定めは無効。つまり普通借家となる。(借地借家法38条3項)
  • 契約期間が1年以上のときは、期間満了の6カ月~1年前までの間に、契約が終了することを通知する必要がある。(借地借家法38条4項)

 
定期借家の物件を目にする機会は、一般の方ですと非常に少ないかと思います。
主に転勤族で会社が賃料を全て負担してくれるような場合に好まれる賃貸契約なのですが、法人と提携して定期借家の情報をたくさん持っている不動産業者もありますし、元々、そういった法人契約を目的に戸建てを貸している不動産オーナー様もいらっしゃいます。

普通借家契約と定期借家契約のメリットデメリット

さて、普通借家と定期借家の違いをご説明させていただきましたが、「何のためにこんな法律があるの?」なんて思われた方もいらっしゃるかもしれません。
その疑問は貸主視点でのメリットデメリットを見てみると納得の正解が得られるかもしれません。

普通借家契約のメリット

・定期借家より借り手が集まりやすい。
・定期借家より賃料を高めに設定できる。
・口頭での契約も場合によっては可能。

普通借家契約のデメリット

・一時的に貸したい貸主にとっては、いつまでたっても明け渡してもらえないリスクがある。
・入居者がトラブルメーカーであっても、貸主側から積極的に契約解除ができない場合が多い。

定期借家契約のメリット

・契約期間を自由に設定できる。
・契約期間を短くすることで、経年劣化を早めに補修できる。
・解約の権利は貸主側にある。
・法人と契約すれば、転勤族などの定期的な入居者の回転が望める。

定期借家契約のデメリット

・借り手が少ない事を理由に、礼金などの初期費用や賃料が相場より安くする必要がある。
・手続きや契約が煩雑になりがち。

メリットとデメリットだけを比べても、どちらが貸主にとって有利かという事を一概に決められるものではありませんが、これらのメリットデメリットに対して、自分の所有する物件がどちらの契約が相応しいのかという事を判断するのに活用していただければ幸いです。

定期借家契約のできた経緯と活用事例

定期借家契約と普通借家契約の違いについてご理解いただけましたでしょうか?
実は、定期借家契約はまだその歴史が浅く、平成11年に成立したばかりの若い制度なのです。

定期借家契約が作られた理由

この制度が作られたのには様々な理由がありますが、主には以下のようなことが挙げられます。

・期間限定で貸したい不動産オーナーにとって不利な制限が多いため、需給に対して優良な住宅を活用できていなかった。
 
・空き室率の増加に伴い、既存住宅の活用を行う必要があった。
 
・賃貸契約に伴うトラブルを早期に解決できるメリットがある。

国側としては、特に経済的なメリットが生まれる事に期待していたようですが、何にせよ悪い制度ではないと言えるでしょう。
実際に以下のような、定期借家の活用事例もあります。

定期借家契約の活用事例

・転勤中の間だけ貸しておくことで、住宅ローンの支払い分だけでも家賃収入として確保したい。
 
・セカンドハウスであるが、使用しない時期の管理も兼ねて誰かに住んでもらいたい。
 
・いずれ建て替える予定の物件だが、収益を得つつ、建て替えのタイミングを図りたい。
 
・大学が近隣に多いため、試験的に4年という契約期間での需要があるか確認してみたかった。
 
・親からの相続で譲受した物件だが、取り壊すのは惜しいので、まずは形のある状態で残しておきたい。

他にも、シェアハウスやゲストハウスとして一定期間の契約をするですとか、高齢者向けのグループホームとしてアパート一棟を借り上げてもらえる場合もあります。
語弊があるかもしれませんが、貸主にとっては都合の良い契約ができるという観点で考えると、活用の幅は広いと言えるかもしれません。

定期借家契約の注意点

定期借家には色々な活用方法があるという事で、少しでも魅力を感じていただけたオーナー様に、念のため注意点も解説させていただきたいと思います。

定期借家契約の事前説明書交付

まず、契約前に定められた期間で契約が終了する旨の説明が必要であるという事をお伝えしましたが、これは、説明だけではなく書面の提示が必須となります。

定期借家契約は書面での契約が必須

普通借家契約では口頭での契約も可なのに対し、定期借家契約は書面での契約が絶対必須です。

つまり、口頭での説明に加えて書面での契約をしていないと定期借家とは認めてもらませんし、実際に「契約書に記載はあるが、説明がなかった」として定期借家契約を無効とした判例も出ています。

尚、貸主側の解約はできないと申し上げましたが、中途解約が絶対にできない事はありません。
契約時に特約を付けていれば中途解約も可能になりますし、床面積が200平米未満の借家に限っては、やむを得ない事情(転勤や親族の介護)がある場合は貸主側からの解約の申し出ができます。

また、状況によっては普通借家を定期借家に変更したいということもあるかと思いますが、これはできません。
仮に当事者同士で合意があったとしても認められないケースもありますが、これは法的に解釈が難しいところもありますので、定期借家と普通借家での切り替えが必要である場合は一度弁護士などに相談した方が無難でしょう。

普通借家と違って何かと決まりごとの多い定期借家ですが、手続きの煩わしさはありますが、それと同等以上のメリットもあります。
試しに賃貸ポータルサイトなどで「定期借家」と検索してみると、シェアハウスを目的としたアパートや、やはり建て替えや法人契約を目的としているであろう物件を見る事ができます。

こういった情報を参考に、定期借家にする必要があるかシッカリ確認しながら、「こういった契約方法もあるのだ」という事を把握しておけば、今後の賃貸経営に活かすことができるかもしれません。

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