入居率アップに繋がるアパート・マンション名を決めよう!
日頃、不動産に関する堅苦しいお話をさせていただいておりますが、今回はブレイクタイムとして、アパート・マンション名についてお話させていただきます。
「近所にちょっと変わった名前のアパートがある!」
「有名マンションのあの名前ってどういう意味?」
「自分が賃貸オーナーになったらどんな名前にしたらいいんだろう」
そんな様々な疑問を少しでも解消できるよう、アパート・マンション名とはどんな意味あって、どのように決められているのかといったところを今回はお話させていただきたいと思います。
目次
よく見かけるアパート・マンション名にはどんな意味が?
アパートやマンション名は時代と共に変わってきましたが、古くは「○○荘」「○○ビルヂング」といった物をよく見かけましたが、その後「コーポ○○」「○○ハイツ」「メゾン○○」といった外国語由来の名前に変化し、最近では、「○○シティグランデ」「キャッスル○○」「アーバンタウン○○」といった、大きな規模をイメージさせるものが増えました。
センスの良いアパート・マンション名が本当に増えましたし、マンション開発デベロッパーにより命名されたマンション名が、そのままブランド化しいているところを考えると、アパート・マンション名は是非思い入れやこだわりをもって命名したいところです。
アパート・マンション名はちゃんとした意味がある
さて、これまでによく聞くアパート・マンション名ですが、実はちゃんとした意味があるのをご存知でしょうか。
耳にする機会が多すぎて、その意味を調べてみようとすら思わないものもあるかもしれませんが、よく見かけるアパート・マンション名にどんな意味があるのかを少しご紹介させていただきたいと思います。
「カーサ」・・・家(イタリア語)
「クレスト」・・・頂上(英語)
「コーポ」・・・コーポラティブハウスの略(和製英語)
「ジュネス」・・・若さ、青春(フランス語)
「セゾン」・・・季節(フランス語)
「ドミール」・・・住宅(フランス語)
「ハイム」・・・故郷の家(ドイツ語)
「ハイツ」・・・高台の家(英語)
「メゾン」・・・家、建物(フランス語)
「ルミエール」・・・光(フランス語)
「レジデンス」・・・高級住宅、大邸宅(英語)
どれも、どこかで聞いたことあるような名前ばかりかと思いますが、少し古めの物件ですと「メゾン田中」ですとか、「レジデンス代々木」といったように、人名や地名と組み合わせて命名されているものが多くあります。
実は、こういった意味と意味の組み合わせであることを知らない事で、極端に言うと「レジデンスハイツ」といった、建物と建物という意味がくっついてしまっているようなものもあったりします。
せっかくの自己所有の物件ですから、我が子に名前を付けるように、意味とニュアンス、響きなどはしっかり考えていきたいところですね。
アパート・マンション名で入居率アップに繋げよう!
アパート・マンション名にはちゃんとした意味があるのだという事をご理解いただけたかと思いますが、めいめいにはコツやルールといったものはあるのでしょうか?
ルールとは言っても、アパート・マンション名を決めるのはご自身であり、特に何かに縛られて命名する必要はありません。
ただし、主に以下のようなポイントは気を付けた方が良いでしょう。
近隣にありがちなアパート・マンション名にしない
これは単に「郵便配達員が間違えるから」といった理由ではなく、不動産経営はいかに自分の物件を選んでもらうかが重要であり、ある程度は差別化することは考えたほうが良いでしょう。
近隣に「○○ハイツ」「メゾン○○」といったものが多いのなら、和製英語でも単一の単語でも良いので、まずは周辺に1件しかないようなセンスある名前にした方が商品としての価値が上がるのではないでしょうか。
一般的な文字を使用する
登記上の問題も然ることながら、特殊記号や旧字体、まして登録が許されるからと言って顔文字にしてしまうのは考えものです。
後ほど解説させていただきますが、自己満足でアパート・マンション名を命名、変更などしてしまうことで入居者様に迷惑となる可能性もありますので注意しましょう。
読みづらいものは避ける
「とにかくカッコいい名前にしたい!」というお気持ちはお察ししますが、読みやすさは大事です。
タワーマンションなどにありがちですが「クレストシティ・○○グランデ・○○タワーウエストコート○○・〇棟・○○○号室」なんて長いものですと、「住所を書くときに非常に困る」なんてお話を聞くことがあります。
さすがに、十数戸ほどのアパートでそこまで大げさなネーミングをされる方もいらっしゃらないかもしれませんが、「読みやすさ」「呼びやすさ」と言ったものは大事だという事を把握しておきましょう。
アパート・マンション名の付け方
では、実際にどのようにしてアパート・マンション名を付けるのがスムーズ、且つスマートでしょうか。
1つのご提案として以下のように考えてみると良いかもしれません。
・外国語+不動産用語
・自分の名字を英語にする(例:鈴木→ベルウッド)
・単一の外国語
・世代を超えても使える熟語や漢字名にする
中古物件のアパート・マンション名は変更できる?
アパート・マンション名には様々な意味や組み合わせがあるというご説明をさせていただきましたが、初めて知ったなんて方もいらっしゃるかもしれませんね。
さてでは、もし新築ではない中古物件を所有して経営していく事になった場合、元々その物件に付けられているアパート・マンション名は変更できるのでしょうか。
もしそれが、初めての賃貸経営だとしたら「〇〇コーポから、もっとカッコいい名前にしたいな!」なんてお気持ちが湧くこともあるかもしれません。
アパート・マンション名を変更する事は可能
結論から申し上げますと、アパート・マンション名を変更する事は「可能」です。
それも、手続きとしては非常に簡単で、登記上のアパート・マンション名を変更するだけです。
何度も>アパート・マンション名を変更する事は避けた方が良い
とはいえ、手続きが簡単だからといって、気軽に何度も変更する事は避けた方が良いでしょう。
考えてみれば、自己所有の物件ではあるものの、そこには入居者様がいらっしゃいますので、もしアパート・マンション名が変更となれば入居者様に大変な手間を掛けさせることになります。
アパート・マンション名が変更された入居者にとっては住民票、銀行や運転免許証、電力会社、通信会社といった様々なサービスや公的機関に届けている住所を変更しなければいけません。
更に、入居者様の中に居住目的以外のオフィスやテナントとして借りている方がいらっしゃった場合、アパート・マンション名の変更は大きなインパクトを与えかねない変更という事になります。
そもそもアパート・マンション名は、必ずしも登記上に記載しなければいけないものではなく、「○○市○○町〇丁目〇番地〇号 ○○様方」といった、「様方」と同じ意味になるのがアパート・マンション名ですので、登記上は「~〇番地〇号○○ハイツ○○〇号室」でも「~〇番地〇号-○○〇(号室)」といった表記でもどちらでも問題はありません。
それでももし、自分なりのこだわりや入居率向上の目的からアパート・マンション名を変更したいといった場合は、義務ではありませんが予め入居者の方へ通知を行い、多少なりのお礼を差し上げるなどの配慮はした方がトラブルやクレームを未然に防止する事に繋がるでしょう。
入居率アップに繋がるアパート・マンション名のまとめ
何かのネーミングを考えるとなると、何をどう考えればよいのか分からないなんて事がありますが、上記の例をそのまま利用しても良いでしょうし、それらを組み合わせても良いでしょう。
将来的にその物件に込める思いからネーミングしても良いかもしれません。
人によってはアパート・マンション名で入居率が上がるなんて見方をされている方もいらっしゃるほどで、収益や立地だけではなく、アパート・マンション名のネーミングも大事なものだと考えた方が良いでしょう。
せっかくのアパート・マンション名ですから、住む人にもオーナー様自身でも親しみの持てる名前を付けてあげたいですね。