公園って誰の物?隣接物件に価値はあるの?ニュースに学ぶ不動産
一般的な知識としてご存知の方は多いかと思いますが、子供の頃に一度でもこのようなことを考えたことはありませんでしょうか?
「この公園って、誰の敷地なんだろう…?」
道行くところあちこちにある家はその家の人の物。
よく行くスーパーはお店の人の物。
あの床屋さんは髪を切ってくれるおじさんの物。
あの大きなマンションは住んでいる人みんなの物。
そんな風に、街にある建物や土地の全ては、必ず誰かの所有物であることは幼心に理解する事はできるものの、どうしても「じゃあ、公園って誰の物?」なんて思った経験があるかもしれません。
実は今回、以下のようなニュースを見かけました。
「公園も大声禁止、遊び場を追われる子どもたち」
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6252788
*yahooニュースの為、リンク切れの場合あり
不動産のお話とは少々ズレるものの、少子高齢化が進む中で、この公園に関する話は今後の賃貸経営と決して無関係ではないだろうという事で今回はお話をさせていただきたいと思います。
目次
公園の所有者って誰?ニュースは何を語る?
私たちが子供の頃に必ず遊びに行ったはずの公園は、近所の小さな公園から少し離れた大きな公園など様々ですが、これらのほとんどは、国の所有であったりすることもありますが、近所にあるような公園のほとんどは都道府県、市区町村といった自治体が所有して管理している物になります。
もちろん、広い土地を持った地主さんが好意で公園として開放している土地も見かけたりします。
さて、そんな公園ですが、私たちが子供の頃に比べると随分と減ったなと思った事はありませんでしょうか。
若しくは、昔懐かしい遊具がいつの間にかなくなっていたり、公園の半分ほどの敷地にいつの間にかマンションが建っていたり…。
今回たまたま見かけたニュースはまさにそんな内容のお話です。
公園とは「遊ぶ場所」「憩いの場所」といった認識を持たれる方がほとんどかと思いますが、ここ最近の公園には「ボール遊び禁止」「大声禁止」「花火禁止」「走り回るの禁止」「ペット禁止」というように、やたらと禁止事項が書かれた看板を目にすることがあります。
公園なのに走り回ってはいけないとは…。
そんな悲しい事態に追い込まれている公園の存在ですが、実際に公園の数の推移はどのようになっているのでしょうか。
そして何故、公園に禁止事項が増えているのでしょうか。
実際に公園は減っているの?
さて、最初に「公園が減った気がする」なんてお話をさせていただきましたが、実際にはどうなのでしょうか。
国土交通省で公表しているデータを見てみると、以下のような推移となっている事が分かりました。
公園の数
平成15年 8万6889カ所
・
平成20年9万6808カ所
・
平成25年 10万4099カ所
平成26年 10万5744カ所
平成27年 10万6849カ所
参考:国土交通省「都市公園データベース」
http://www.mlit.go.jp/crd/park/joho/database/t_kouen/index.html
実は公園は増えている
意外なことに、ここ10年ほどの間に、2万カ所も増えています。
ではなぜ、公園が減ったように思えるのでしょうか。
主な理由は以下のようなことが考えられます。
公園が減ったように思える理由
etc…
つまりは、公園は増えているものの、公園に集まる人たちの活気が無くなったという事ができるかもしれません。
今では、公園に子供がいても携帯ゲームで遊んでいるだけであったり、広場を見れば球技や体操を楽しむお年寄りばかりという光景に変わり、何となく町がせせこましいイメージになった感は否めません。
公園の近くの物件の需要は?
さて、数は増えているのに衰退の一途を辿る日本の公園事情ですが、賃貸経営における公園にはどのような考え方をしたら良いでしょうか。
ファミリータイプの物件でお子さんのいらっしゃる世帯であれば、近くに公園があった方が好まれるでしょう。
しかしながら、単身タイプの物件であれば公園が近いことを嫌がる借主が多いのも事実です。
世の中の意見も見てみましょう。
「あなたは子供の頃、公園で大きな声を出して笑ったり、はしゃいだりして遊ばなかったんですか?あなたは子供の頃、公園でボール遊びをしなかったんですか?夜遅く酔っ払って大声だしてる大人はどうなんですか?かなりズレてません?って言いたい」
https://twitter.com/hinamana0701/status/904356754409918464
「公園のベンチで寝ている時子供の声さえうるさく聞こえる。そんなふうに思っている自分に嫌気がさす…」
https://twitter.com/utubyou_kai/status/904293990144516097
「公園での遊び方の細かな規制に少子化も無理はねえやと思う。それだけじゃないけどね。この国は知らないうちに子供が住みづらいようになっていたんだなあ。知らなかったなあ。自業自得。因果応報。クソッタレ。」
https://twitter.com/kanandnicolepa/status/904293284171747328
「ボール遊び禁止の公園でゲートボールはいいんだ?子供は叱られるのに老人はいいんだ?今ゲートボールやってるからこっち来ちゃダメよ。って小さい子に言ってるの違和感しかないけど。平日の午前中にでもやればいいじゃん。」
https://twitter.com/777pio777m/status/904272454167572480
「俺も家の近くに小学校とか公園あるからうるさい時はめっちゃうるさい」
https://twitter.com/arian0910/status/904299602290999296
「隣の公園で高校生?らしき集団が一生懸命ラップしてる。うるさい帰れ。」
https://twitter.com/yasuyellow33/status/899634837602025472
「夜中に公園で大声で話す若者と早朝に住宅街で大声で話す老人に差はない。どっちも近所の人とってはうるさいのよ。」
https://twitter.com/locatedonneouni/status/899374570854989824
公園が近くにあった方が陽当たりを遮らないから需要があるという意見もありますし、どうしてもうるさくなりがちな公園の近くは嫌がる借主が多いという意見もあります。
ただ、世間の意見を見ていると、どうしても「大人の不始末」が原因で禁止事項が増えているのではないかとも思えます。
賃貸経営における公園の存在は、その地域の特徴として受け入れた方が良いのかもしれません。
その公園に日ごろからどのような人たちが訪れるのか、時期によってお祭りやイベントごとなどは行われるのか、過去に事件はあったのかなど、公園と一口に言ったところで良し悪しを決められるものではないと言えるでしょう。
公園のあるべき姿とは?
筆者の経験ですが、以前に以下のような借主様へ物件のお世話をさせていただいたことがありました。
「窓を開けたら広い景観と緑が広がる窓のある物件を探しています。」
広い景観なのに緑が多いとは、まるでとんちのクイズでも出されたかのような感覚でしたが、たまたま、隣接する広めの公園が南側にある賃貸アパートをご紹介したところ、「こういうのを探していました!」と大変喜んでいただいたのです。
「公園は常に人がいますから、少々うるさいかもしれません。」なんて注意もさせていただきましたが「あまり騒ぐようだったら警察に連絡します。」なんて、タフなご返答だったため安心して契約をしていただいたのでした。
公園とは憩いの場
公園とは人によって捉え方が様々です。
閑静な住宅街にヒッソリとある公園であれば、許されるのは昼間の子供の声くらいでしょう。
大きな公園ともなれば、多少大きな声を出したところで日常茶飯事という事で近所の人も聞き慣れているかもしれません。
人によっては「休日に公園でのんびりしたいから」というニーズもあったりする、それが公園という存在です。
時代の流れなのか、どうしても「公園=騒音問題」という風に捉えられがちですが、そもそも公園とは「憩いの場である」という事は忘れたくないものです。
賃貸経営における公園もデメリットとして考えるのではなく、一つのメリットへ転換する事がポジティブな経営だと言えるのかもしれません。