2017.09.14

市街化調整区域とは?建築・開発許可は?ニュースに学ぶ不動産

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先日、2022年問題である生産緑地についてご紹介させていただきました。
日々ニュースをチェックしていると、やはり生産緑地についての話題は更新される数も日を追うごとに多くなってきており、特に、前回と同じ内容ではあるものの、生産緑地に対する政府の姿勢には注目が集まっているようです。

都市の農地、税優遇で維持 企業に貸しやすく
日本経済新聞 電子版「都市の農地、税優遇で維持 企業に貸しやすく」

さて、「生産緑地は守られる!2022年問題に解決案!」の記事でも解説させていただきましたが、今回は補足的な意味を含め、「市街化区域」と「市街化調整区域」についてご説明させていただきたいと思います。

市街化区域と市街化調整区域の違いとは?

市街化調整区域とは

都心から少しだけ離れた郊外へ出かけてみると、それまでお店や商業ビルが並んでいた街の風景が、道を進んでいくと徐々に住宅街へと変わり、突然にして広い田畑が広がるなんて光景を目にしたことがある方もいらっしゃるでしょう。
それはまさに、市街化区域と市街化調整区域の境目を跨いだという事かもしれません。

生産緑地の記事では、「住環境悪化の防止や自然環境の保全のために生産緑地はある」とご説明させていただきましたが、市街化調整区域もまさにそういった目的の下に存在する地域なのです。
よって、無秩序な開発行為による環境破壊を抑制すべく、宅地造成などの開発行為はもちろん、建物の建築も制限されているのが市街化調整区域となります。

市街化区域とは

対する市街化区域ですが、市街化調整区域とは逆に、既に市街化している地域や10年ほどを目途に市街化を計画するべき地域の事を指します。
積極的に建築や開発行為を行うが、「低層住居地域」、「商業地域」、「工業地域」などのように利用目的を地域ごとに分けて市街化を促進する事を目的とする、それが市街化区域です。

用途地域とは

更に、市街化区域内にある目的別の地域の事を「用途地域」と言います。

よく知られるところで、京都や奈良などの歴史的な風景が広がる街については「歴史的風土特別保存地区」といった特別な地域区分が指定されています。
これはある意味、市街化調整区域よりも開発行為の制限が厳しいとも言え、建築、宅地造成、伐採、広告物、建物の色など様々な行為に対して許可が必要とされており、だからと言って申請すれば許可が下りるというものでもありません。
とはいえ、これも地域の役割を明確にしつつ、歴史的風土を保全するために指定された用途地域なのです。

尚、生産緑地については、市街化調整区域ではなく市街化区域に属する土地となります。
市街化区域だからといって、建物をバンバン建てても良いですよという事ではなく、住環境に調和した自然環境も必要であるということで、市街化区域でも生産緑地のような建物を建てられない土地が存在するのです。

市街化調整区域は広い!

さて、少々お話が脱線しましたが、私たちが住んでいる街には様々な地域区分があるのだという事は何となくでもお分かりいただけたかと思います。
近隣にあった畑や林が宅地化し、マンションやアパートが立ち始める光景を見ると「あぁ、自然が減っていくなぁ」なんて感じられたことのある方も多いかと思います。
とはいえ、実は市街化調整区域は、多くの方が住居を持つ市街化区域の2.5倍ほどもあるというのをご存知でしょうか。
事実、国土交通省では全国の市街化区域と市街化調整区域の面積や人口を以下のように公表しています。

全国の市街化区域と市街化調整区域の面積や人口

市街化区域:144万ヘクタール(人口約8538万人)
市街化調整区域:374万ヘクタール(人口約1100万人)
 
参考:国土交通省「都市計画区域、市街化区域、地域地区の決定状況」

驚くことに、市街化区域は市街化調整区域の1/2以下の面積であるにも関わらず、人口は逆に8倍となっているという事。
私たちの住む町はその8倍という人口密集で形成されているのだという事がよく分かります。

だからと言って、「まだまだ広い土地があるんだから、多少は宅地化しても問題ないだろう」とは言い難く、別の記事でご紹介させていただきましたが、生産緑地と言う市街化区域にありながら建築を制限された土地すらあります。
よって、「自然が減ったなぁ」なんて思っても、実は案外、都道府県は市区町村といった自治体によって、自然はしっかり守られているのです。

絶対に市街化調整区域に住居は建てられないの?

市街化調整区域や生産緑地、広さも環境も申し分なく、土地の価格も安いため誰しも購入したいと思えるこれらの土地ですが、絶対に住居やアパートは建てられないのでしょうか。

まず、生産緑地ですが、これは生産緑地から農地へ転用し、農地から宅地へ変えていく事で土地を売却する、若しくは建物を建てる事は可能になります。
以前の記事でも、30年という期限が切れる生産緑地が一気に宅地化することで地価相場が暴落するのではないかという懸念が世間を騒がせているということをご説明させていただきました。

では、市街化調整区域はどうでしょうか。
これは、ほぼ不可能だと考えた方が良いでしょう。

市街化調整区域は、市街化区域と違って「原則として建築は不可」と厳しく定められた地域です。
実際に都市計画法34条では「市街化調整区域での開発行為及びその申請の手続が同条に定める要件に該当するほか、当該申請に係る開発行為が次の各号のいずれかに該当すると認める場合でなければ、都道府県知事は、開発許可をしてはならない。」と定めています。
では、その都市計画法34条の一部をご紹介させていただきます。

1.公益上必要な建築物や周辺住民の日常生活に必要な物の販売等を行う目的での開発
2.鉱物資源や観光資源などに必要な建築物
3.温度、湿度、空気などの特別な条件のもとで建設を行う事から市街化区域では建築が困難と思われる建物
4.農業などを行うにおいて必要とされる貯蔵、加工等を行う目的の建築物

参考:ウィキブックス「都市計画法第34条」

以上のように、「住居」としての建築については、ほぼ許されていません
しかしながら、同条11項に以下のような条文もあります。

「市街化区域に隣接、または近接し、且つ自然的社会的諸条件から市街化区域と一体的な日常生活圏を構成していると認められる地域で、おおむね五十以上の建築物(市街化区域内に存するものを含む。)が連たんしている地域のうち、政令で定める基準に従い、都道府県の条例で指定する土地の区域内において行う開発行為で、予定建築物等の用途が、開発区域及びその周辺の地域における環境の保全上支障があると認められる用途として都道府県の条例で定めるものに該当しないもの」

参考:ウィキブックス「都市計画法第34条」

何を言っているのか難しいかと思いますが、要は「自治体で定められている条例に基づいた地域で近所に50程度の建築物がある場合は、周辺環境の保全に支障がないと判断されれば建築は可能」と言い換える事ができます。

しかしながら、これを安易に「近所に50軒くらいの家があれば市街化調整区域でも家を建てられる!」と解釈してはいけません。
仮に建築ができるとなっても、様々な申請を行う必要がある上に、許可されるまで何週間もかかる事がほとんどです。
更に、自治体で定めている条例とはその地域で違うため、市街化調整区域の土地を購入しようと思うなら、ピンポイントで購入したい土地に目星を付けて、その地域の条例、周辺環境の下調べ、そこから開発許可の申請といったかなり手間のかかる作業をこなしていく必要があります。
しかも、そこまで行ったからといって開発許可が下りるとも限らないのです。

まとめ

今回は、生産緑地の問題と併せて知っておきたい不動産用語として市街化調整区域について解説させていただきました。
数あるサイトを見ていくと「市街化調整区域でも家を建てられる!」といった謳い文句で始まる記事を見かける事もありますが、自分の実家や親せきが農家であったり、問題をクリアできるようであれば建物を建てられる可能性はあります。

しかしながら、環境を保全する、農作物の生産を促す、自然と住居の調和を目指すといった大前提の上に作られたのが市街化調整区域という都市計画における制限です。
生産緑地も市街化区域の中で少しは緑を残しましょうというのが本来の意図ですから、2022年の不動産価格暴落やアパートの乱立といった問題と同時に、環境破壊といった観点からももう少し議論されるべきだと言えるかもしれません。

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