2017.11.20

賃貸の仲介手数料、広告料の仕組みや計算方法を解説。

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不動産屋さんの店頭でも見かける「仲介手数料50%OFF!」ですとか、「仲介手数料タダ!」なんてノボリや看板がありますが、不動産業者にとっては利益の中心となるのが仲介手数料です。

50%OFFならまだしも、「タダ!」なんて謳ってしまったらどうやって利益を出すのだろうなんて思った事はありませんでしょうか。

今回は、仲介手数料の解説記事の「賃貸編」となりますが、売買編にてご説明させていただいていない、仲介手数料の謎について、賃貸のお話を絡めてもう少し詳しく解説させていただきたいと思います。

関連記事:不動産売買の仲介手数料、計算方法の解説

賃貸物件の仲介手数料は家賃を元に考える

不動産売買における仲介手数料は「3.24%+6万円」と別の記事にてご説明させていただきました。
では、賃貸物件における仲介手数料は何を元に計算するのでしょう。

それは「家賃」です。

売買編でご紹介させていただいた、宅地建物取引業法の第46条に出てくる「仲介手数料は国土交通省で定めた金額にしなさい」という部分に変わりありませんが、その国土交通省で定めている賃貸物件の取引における仲介手数料が以下の条文です。

(貸借の媒介に関する報酬の額)
宅地建物取引業者が宅地又は建物の貸借の媒介に関して依頼者の双方から受けることのできる報酬の額の合計額は、当該宅地又は建物の借賃の一月分の一・〇八倍に相当する金額以内とする。この場合において、居住の用に供する建物の賃貸借の媒介に関して依頼者の一方から受けることのできる報酬の額は、当該媒介の依頼を受けるに当たって当該依頼者の承諾を得ている場合を除き、借賃の一月分の〇・五四倍に相当する金額以内とする。
 
引用:国土交通省「昭和45年建設省告示第1552号」

例によって、分かりやすく言い換えてみましょう。

「賃貸の取引で貸主と借主の両方から受け取れる仲介手数料の合計は家賃の1.08カ月分までです。尚、両者の承諾を得ている場合を除いては、一方から受け取れる仲介手数料は家賃の0.54カ月までです。」

最後の方が少々分かりづらいかもしれませんので、もっと分かりやすくしてみましょう。

「仲介手数料は家賃1か月分と消費税で、借主から50%、貸主から50%という割合にしなさい。でも、取引相手らが了承してるなら、借主100%貸主0%でもいいし、借主0%貸主100%という風に自由に決めても良いですよ。」

ご理解いただけましたでしょうか。
冒頭にもお話させていただいた「仲介手数料タダ!」なんて謳っている不動産会社では、この法令を利用して巧みに利益を出しているわけで、つまりは、借主ではなく貸主から仲介手数料を受領する事で、貸主に借りやすい物件を紹介してくれているという事なのです。

仲介手数料と広告料のカラクリ

では、不動産会社は家賃1か月分の仲介手数料だけが利益となるのでしょうか。
当然、そのような会社もあるかもしれませんが、実際には「広告料」という別の利益を得ている会社もたくさんあります。

ただ、広告料については少々注意して考えていかなければいけないのですが、まずは仲介手数料以外の利益となる広告料については、国土交通省による告示の以下の条文が参考になります。

(第二から第六までの規定によらない報酬の受領の禁止)
宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関し、第二から第六までの規定によるほか、報酬を受けることができない。ただし、依頼者の依頼によって行う広告の料金に相当する額については、この限りでない。
 
引用:国土交通省「昭和45年建設省告示第1552号」

「第二から第六」というのはつまり、売買、賃貸の仲介手数料についての定めの書かれた部分のことを指しますが、前回記事と上記までにご説明させていただいた条文と重複するため省略致します。

ともあれ、この条文では「不動産会社は、貸主から広告をしてくださいと依頼された場合は広告料を受領しても良いですよ」という事を言っており、実際の不動産業界の現場では「借主から仲介手数料として家賃1か月分」「貸主から広告料として家賃1か月分」という事で、合計で家賃2か月分を利益として受け取っている会社も存在します。

「仲介手数料タダ!」というカラクリが大分見えてきたかと思います。
つまりは、貸主側から仲介手数料と広告料を1か月分ずつ、つまり家賃2か月分を受領するという事ができれば十分な利益を出せるため、貸主から仲介手数料を貰わないという大々的なキャンペーンに打って出る事ができるのです。

仲介手数料の片手、両手、分かれの意味

さて、仲介手数料については理解が深まってきた頃かと思いますが、上記までは業界内では常識でも、一般の方にはあまり馴染みのないことかと思います。
不動産業界に限らず、儲けのカラクリというのはどの業界でもあまり大っぴらにすることはありませんので、当然と言えば当然かもしれません。

ところで、売買、賃貸に共通して使われる用語として「片手」「両手」「分かれ」という言葉があります。
これらは、上記までのご説明をご理解いただけていればさほど難しいものではありません。

まずはそれぞれの意味をご説明させていただきます。

仲介手数料の片手

仲介手数料を貸主、若しくは借主のどちらか一方からのみ受け取る取引

仲介手数料の両手

・仲介手数料を貸主と借主両方から受け取れる売買取引
・借主から仲介手数料、貸主から広告料を受け取れる賃貸取引
・貸主から仲介手数料、広告料の2か月分を受け取れる賃貸取引

仲介手数料の分かれ

・売主側の仲介業者は売主から、買主側の仲介業者は買主から仲介手数料を受け取る売買取引
・貸主側の仲介業者は貸主から50%、借主側の仲介業者は貸主から50%の仲介手数料を受け取る賃貸取引

少々複雑なように思えますが、要は不動産仲介業者が報酬額を2倍以上受け取ることができる取引を「両手」というのであって、それ以外を「片手」や「分かれ」というように言葉を使い分けます。

よって、不動産業界では両手物件を美味しい物件と位置付けて、「この物件両手だぞ!優先して契約取ってこい!」なんて息を巻くシーンをよく見かける事があります。

広告料には注意が必要

上記までに度々登場する広告料ですが、実は注意が必要です。
もはや不動産業界の慣習として当然のように存在している広告料ですが、もう一度条文を確認してみましょう。

「ただし、依頼者の依頼によって行う広告の料金に相当する額については、この限りでない。」

つまり、売主や貸主が「広告料支払うから、お客さん見つけてきて!」と依頼してこない限りは、不動産業者は広告を出したり、それに対する報酬を支払うように強要してはならないのです。

もちろん、不動産業者が自社で費用を負担して広告活動をするのは問題ありません。

ただやはり、長い不動産業界の歴史の中で慣例として認識されてきた広告料ですから、売主や貸主が「買主(借主)を見つけてくれるなら」と目をつぶってきたために、何となく請求される広告料がまかり通ってきたというところもあります。

儲けを重視する不動産業者ですと、広告料2か月や3か月分を貸主から受領しているような会社もあります。

更にこの広告料は、やはり実際に広告活動を行った事により発生する費用に対して請求できる名目のものですので、本来であれば利益を出すという目的で受領する事は望ましい事とは言えません。
これは、全日本不動産協会でも同じ見解を示しています。

参考:公益社団法人 全日本不動産協会「宅建業者が仲介行為を行う場合の広告の料金」

賃貸の仲介手数料、広告料のまとめ

企業というのは利益が出るからこそやる気を出すものであり、売主や買主側にしてみればやる気を出してもらえるなら費用を支払っても良いと考えるのも自然なことだと言えます。
よって、広告料とは上手い付き合いが必要だとも言えるでしょう。

人によっては、両手物件や広告料という存在が物件隠しや囲い込みに繋がるという事で「不動産業界の悪しき慣習」という見解を示す方もいらっしゃいますが、見方によっては不動産の流通を促すための潤滑剤とも言えます。

不動産業者が強要するのでもなく、売主や買主が法令を把握していないところを利用するのでもなく、不動産業者が報酬を受け取る代わりに、しっかりとした結果を残すという当然のことさえできれば、広告料や仲介手数料という存在も決して悪しきものとして扱えるものでもないかもしれません。

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