2017.09.29

手付金とは?意味をわかりやすく解説

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日々、全国で不動産取引が行われる中で「手付金」の話が出るのは日常茶飯事。
業者側もお客様側も、さも当然かのように手付金の受け渡しを行っています。
もしかしたら、この記事をお読みの方の中にも、手付金のやり取りの経験をされた方もいらっしゃるかもしれませんが、手付金と簡単に言っても、その金額の相場は取引価格の1割前後が相場。
決して気軽に扱える金額ではありません。

「契約前に何故こんな大金を用意しなければいけないの?」
「手付金を渡したはいいものの、契約が白紙になったら返してもらえるの?」

そんな不安を持たれがちな手付金。
今回は、そんな不安を解消すべく、手付金について解説させていただきたいと思います。

手付金にはどんな意味が?どんな効果があるの?

手付金というと、一般的な感覚であれば「気に入った物件を他の人に取られないように抑えておくもの」という認識の方が多いかと思います。
確かに、手付金を不動産会社や売主に渡す事で、後の頭金としてそのまま充当されますし、金銭の授受が行われているという事実から、他の第三者がその取引に介在する余地もなくなります。

ただ実は、手付金にはそのような頭金としてや物件を抑えるためだけが目的のものではありません。
もちろん、買主側から見たら気に入った物件を確実に手に入れるための手段として用いられますが、不動産会社や売主側からの観点では、「契約を途中で破棄させないためのもの」という効力があるのです。

3種類の手付金

実は、手付金とは大まかに3種類存在していて、「解約手付」「証約手付」「違約手付」というものになります。
不動産取引においては、主に「解約手付」の性質をもった手付金となるケースがほとんどで、稀に違約手付が用いられる事もありますが、残る証約手付はほぼほぼ皆無に近いものです。
解約手付という名前からしても、何やら「罰金?」と思える響きの解約手付ですが、実際に解約手付とはどういったものなのでしょう。

民法上の手付金のルール

ここに一つ、手付金に関する民法上のルールを確認してみる事にします。

「買主が売主に手付を交付したときは、当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を償還して、契約の解除をすることができる。(民法第557条)」

ここで初めて登場する「契約の解除」というもの。
不動産取引においては、「契約したら最後!間違いなく履行される!逃げ場はない!」というイメージが持たれるほど、契約とは重要なものという認識かと思いますが、絶対に契約を無しにできないという事はありません。

人には様々な事情が発生するものですから、「契約直後に大病を患ってしまった」「事故で多額の損害賠償を請求されてしまった」などといったケースがないわけではありません。
そういった場合、不動産契約をしているどころではなく、すぐにでも契約を白紙にして、他の事由に対する金銭の用意をしていかなければいけません。

よって、やむを得ない事情が発生した場合は、払った手付金を放棄して契約を無しにすることができるのです。
つまり手付金とは、契約後に売主と買主のどちらかの事情で契約を無かった事に(解約)する場合の、迷惑料のようなものと考えて差し支えないでしょう。

買主は手付を放棄。売主は倍額を返還

ただ、覚えておきたいのは、民法557条にもあります「買主は手付を放棄。売主は倍額を償還して…」という一文。
筆者個人はそのような経験をしたことはありませんが、買主ではなく、売主側の都合で契約を白紙にする場合においては、買主が支払った手付金の2倍に相当する金額を返還しなければいけないとされています。

よほど悪質か、売主にとって美味しすぎる取引が現れたという事でもない限り、こういったケースはほとんどありませんが、そんなルールもあるのだという事は、今後の取引のために頭の片隅に置いておくと良いでしょう。

手付金と賃貸業における申込金の違いとは?

さて、手付金についてご説明させていただいたところで、身近な問題としてトラブルになりがちなものに「申込金」といったものがあります。
賃貸不動産の契約までの流れの中で、申込金の支払いを求められる事があります。

理由や金額は業者によって様々で、「この物件の最初の申込者になりましょう!」「人気のある物件なので確実にしておきましょう!」などと言われ、5千円、1万円、2万円…と、その時の雰囲気で何となく決められたような金銭の支払いを求められます。

ただ、この申込金については、ほとんど効力はなく、法的な根拠は無いに等しいものです。
確かに申込金を入れておくことで、その物件に対しての優先度は上がるでしょうが、だからといって、契約をしなければいけない理由にもなりませんし、当然、貸主が契約を断る権利もあるのです。
よって、最初に支払う金銭であっても、手付金とは似ても似つかない性質のものなのです。

申込金はトラブルの元

さて、この申込金ですが、今は減る傾向にあるようですが、トラブルの元になることが非常に多かったものです。
最も多い理由は、「申込金が返してもらえない!」というもの。

「契約するって言ったじゃないですか!それを蹴るんですから他の入居者探さないといけないし、申込金だって返せませんよ!」

恐らく、賃貸業者の担当者さんはこのような事を言ってくるかもしれません。
しかしながら、そのセリフも通用しないほど法的な拘束力がないのが申込金です。
事実、宅建業法では以下のような定めがあります。

「宅地建物取引業者等は、前二項に定めるもののほか、宅地建物取引業に係る契約の締結に関する行為又は申込みの撤回若しくは解除の妨げに関する行為であって、第三十五条第一項第十四号イに規定する宅地建物取引業者の相手方等の利益の保護に欠けるものとして国土交通省令・内閣府令で定めるもの及びその他の宅地建物取引業者の相手方等の利益の保護に欠けるものとして国土交通省令で定めるものをしてはならない。」

引用:e-Gov「宅地建物取引業法」

「法第四十七条の二第三項の国土交通省令・内閣府令及び同項の国土交通省令で定める行為は、次に掲げるものとする。
(中略)
2.宅地建物取引業者の相手方等が契約の申込みの撤回を行うに際し、既に受領した預り金を返還することを拒むこと。」

引用:e-Gov「宅地建物取引業法施行規則」

要は、申込金の返還を求められたら、それを拒んではいけませんという事を言っているのですが、実際のところ、何かと理由を付けて返還しない業者もまだいるようですので、上記の法令は後のトラブル防止のために覚えておいて損はないでしょう。

手付金のまとめ

いかがでしたでしょうか。
何となく着手金や頭金という感覚で支払っていた手付金にも、ちゃんとした意味のあるものだったのです。
物件を確実に手に入れたいという気持ちは分かりますが、契約の履行が始まってしまえば、手付金が返ってこないどころか、契約の解約が認められないケースもあります。
それも、上記にご紹介させていただいた民法にて定められています。

手付金の相場は物件価格の1割と言われていますので、取引のスタートとしてはまだ取り返しのつきそうな金額ですが、契約が進み始めてしまえば物件価格という大きな債務を負うわけですから、「掘り出し物見つけた!」という高揚感で突っ走ってしまうのではなく、大きな買い物をするのだという意識を持って、手付金を支払うのに相応しい物件であるかを冷静に判断してから取引を進める事が重要です。

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