2017.07.29

民法改正による不動産オーナーへ影響を分かりやすく解説!

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今年、平成29年5月に六法の中の一つである「民法」の改正が行われました。
新聞や報道などでチラッとでも目にされた方はご存知かもしれませんが、主に「契約」や「債権」に関わる部分の改正となったため、各企業、各分野では今、最もホットな話題として各所で取り上げられています。

契約や債権に関わる改正ということであれば、不動産にどう関連してくるのかという事は把握しておいた方が良いでしょう。
今回は、不動産オーナーから見た、「民法改正による影響」について解説させていただきたいと思います。

民法改正がなぜ話題になってるの?

120年ぶり民法の大改正

そもそも「民法改正!」が何故こんなに話題になっているのでしょうか。

普段から「法律が変わった!」なんてニュースはあちらこちらで見かけますから、さほど珍しいことでもないように感じます。
ただ、債権など不動産と深い関わりのある民法は1896年以降からほとんど行われておらず、もはや「時代遅れ」の古いものになっていながらも改変に着手されないままでいました。

仮に民法で解決できない事案があったとしても「判例があるからそれに当てはめよう!」という考え方が主流となっていたこともあり、「改変が必要だ」という声が挙がっていても後回しにされ続けてきたのです。
また、裁判官の思い付きによる、法を無視した判決がなされることも多かったことも今回の改変の目的であるという見方もあります。

今回、そういった背景があるからこそ、「120年ぶり民法の大改正!」といったキーワードが各所に見られるほど話題にされていると言えるでしょう。

不動産オーナーに関わる改正点1「敷金」

今回改正される事となった民法は1896年に制定されて以来、2005年に至るまで公に議論されることはありませんでした。
その後2006年になってようやく有識者による懇談会などで改正へ向けた議論が行われるようになりましたが、驚くことに、議論が始まった5年後に公表された論点数は実に500という数に上りました。
最終的には改正点も200にまで減る事となりましたが、それにしても数が多く、これも「大改正」と言われる所以でしょう。

さて、長い議論の結果、大改正が行われる事となった民法ですが、不動産オーナー様に直接影響があるポイントは主に以下のようなものです。

賃貸借契約の「敷金」についての定義

意外なことに、これまでは賃貸借契約における敷金については明確な規定がありませんでしたが、今回の改変によって、まずは敷金の定義が定められました。
噛み砕いて簡単に申し上げますと、以下のような定義となっています。

「名義はどうあれ、賃料を払う債務のある賃借人は賃貸人に対して担保として預けておく金銭」

これまで敷金におけるトラブルは様々な場所であらゆる問題を起こしていましたが、「あくまで敷金は担保ですよ。」という明確な定義づけがされたことで、敷金への根本的な解釈の違いによるトラブルは減るものと考えられます。

【関連記事】
民法改正「敷金」編 賃貸経営にどんな影響が?

敷金返還の義務

敷金の定義は「担保である」と明文化されたことから、基本的に敷金は退去時に返還することが義務化される事となりました。
ただし、あくまで担保ですから「賃借人が金銭的債務を履行しない時は敷金から充当して返還する」という前提となり、言い換えるなら「入居者が家賃を滞納したら敷金から差し引いてから返還しましょう」ということになります。

では、不動産オーナー様には気がかりな「原状回復」についてはどういった位置付けとなるのでしょうか。
これは、これまでの判例やガイドラインにもあったとおりで大きな変更はなく、「経年劣化などの自然消耗は賃貸人負担。住んでいる間に汚した、壊したという損傷なら賃借人負担」となっています。

不動産オーナーに関わる改正点2「連帯保証人の保証額の明確化」

これは不動産に限ったお話ではありませんが、これまで連帯保証人となった人は本来の債務者と同等の債務を負う事となっていましたから、自分の知らないところで起きたトラブルにより、予想外の多額の債務を負う事もありました。
しかしながら、今回の改正により、保証人の保護を目的とした以下のような規定が作られました。

「賃貸借契約の時に連帯保証人が負う債務額の上限を決める事」
「それらが記載されていない連帯保証人契約は無効」

つまり、連帯保証人の債務額の上限を30万とした場合、賃借人本人の責による100万円の債務があったとしても、連帯保証人は30万円までしか払わなくて良いという事になります。
更に、この取り決めをしなかった保証契約については無効になるため、この改正点は今後の契約事においては大事なポイントと言えるでしょう。

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不動産オーナーに関わる改正点3「家賃の当然減額」

これまで、賃借人の責任ではない理由により賃貸物件の使用ができない場合、「賃借人の請求により家賃を減額する事」とされていました。
要は、「請求がある」という前提が必要だったのですが、これからは「当然減額される」という規定に変わりました。
これは、東日本大震災などでの契約に関するトラブルが元になったとされており、とはいえ、「使用できない」とは具体的にどの範囲のどのようなことを指すかといったところまでは決められていないため、不動産オーナー様においては賃貸物件の管理にこれまで以上の注意が必要になりそうです。

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不動産オーナーに関わる改正点4「賃貸人の修繕義務」

物件の修繕については、何かと頭を悩ませるところは多いかと思いますが、この度の改正で「賃借人の責任による損傷については、賃貸人は修繕義務を負わない」ということが明記されることになりました。

また、修繕すべきと知っていながら、若しくは修繕を要するという連絡を賃借人から受けていたにも関わらず何もしなかった、はたまた急を要する時については賃借人の判断で修繕を行えるという権利も明記されることになりました。
とはいえ、これらはあくまで「修繕」といった範囲ですから、室内の改造を許されたわけではない事は理解しておきましょう。

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不動産オーナーに関わる改正点5「滞納家賃の遅延損害金と時効」

他にも不動産オーナー様に直接関係があるものとして「滞納家賃の遅延損害金は年利率3%を上限とする」といったものや、「消滅時効が5年に統一」といったものもあります。

各業界によってバラバラであった権利の行使ができる期間、つまり時効の年数というは3年であったり、5年であったり、10年であったりと統一性のないものでしたが、今回の改正においては3%と明確に決まりました。
遅延損害金についても年3%という上限が決まりましたので、滞納家賃問題で悩まれている方にとっては重要な改正点だと言えます。

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不動産オーナーには不利なの?有利なの?

ここまで、民法改正における不動産オーナー様への影響について解説させていただきました。
不動産経営をされている方にとって有利なのか不利なのかといった明確な回答は難しいものの、そのほとんどが、これまでの判例でそのようになっていたという現状を明文化したにすぎないところもありますので、そこまで肩肘張って検討するようなものでもないかもしれません。
むしろ、こういった明確化がされたことで、今後の不動産経営においてはトラブルが少なくなる可能性もあるでしょうし、連帯保証人の改正点については今後保証会社を活用される方も多くなるかもしれません。

「有利か不利か」といった視点から考えるのではなく、時代の流れにようやく法が追い付いたという風に捉え、今後の不動産経営におけるハッキリとした根拠として捉えられれば良いのかもしれません。

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