2017.08.12

家賃の滞納発生!不動産オーナーとしてどう対応するか

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大家さんにとって、賃貸経営で得られる家賃は大事な収入源になります。
ただ、今も昔も変わらず問題になるのが「家賃の滞納」です。

家賃滞納は借主側にとっては最悪でも立ち退きを命じられる程度の気楽なものかもしれませんが、貸主である不動産オーナー様にとっては収入が減るばかりか、体力や気力も必要とする対応が必要となります。
今回は、そんな家賃滞納に関するお話です。

全国に滞納者はどれくらいいる?

全国に家賃の滞納者はどのくらいいるのでしょうか。
家賃の滞納とは言っても「1か月滞納」「数か月滞納」では、その内容や未回収になるリスクが違うため、滞納の定義を正確に表す事は難しいかもしれません。
しかしながら、一つの目安として、日本賃貸住宅管理協会が公表している日管協短観による「賃貸住宅市場景況感調査」を元に全国の滞納状況を見てみましょう。

下記のデータは賃貸の管理会社190社へ平成28年10月から翌年3月までの状況としてアンケートを実施したものです。

月初時点での滞納率

首都圏 4.8%
関西圏 8.0%
その他 7.3%
全国 6.6%

月末時点での滞納率

首都圏 2.2%
関西圏 2.3%
その他 3.5%
全国 2.9%

滞納2か月目の月末時点での滞納率

首都圏 0.9%
関西圏 0.8%
その他 1.7%
全国 1.3%

参考:日本賃貸住宅管理協会「日管協短観」

首都圏、関西、その他地域、全国という別でデータが公表されていますが、理由は不明ですが、月初の滞納者は東京と比べても関西圏では1.7倍もの滞納者がいる事が分かります。

平成28年以前のデータはここでは特に記載しませんが、同様に日本賃貸住宅管理協会が公表しているデータを確認する限りでは、どの年度も全て関西圏の滞納率が高い傾向にありました。

とはいえ、家賃も「うっかり忘れ」というものもありますから、月初、月末時点での滞納で滞納率を判断するのも早合点になるでしょう。
そこで、明らかに滞納と言える「滞納2か月目の月末時点での滞納率」を見ると、より実態に近付きます。
各地域で1%前後、全国で見ると1.3%が滞納している事が分かります。

全国の賃貸住宅はおよそ1400万戸前後ですから、その中の1.3%となると、言い換えるなら約80世帯に1世帯が滞納している事になります。

他にも、「全国賃貸住宅新聞」の記事によると、公団住宅の未収家賃が大阪府だけでも30億円に達するという事実も公表されており、今や滞納に対する対応を問われる時代になってきているのだと言えるかもしれません。

参考:全国賃貸住宅新聞「未収家賃の累計30億円」

家賃の滞納にはどんな対応が必要になるの?

それでは、家賃を2か月滞納したら「滞納者」として判断したとします。
しかしながら家賃の滞納も、状況によって対応方法を考えざるを得ない場合もあり、それは「悪質かどうか」で判断します。

上記のデータにもあるように、「うっかり」という事もありますし、家賃が引き落としであったりした場合は、口座への入金を忘れていたなんてケースもあるでしょう。
そういった事に対してまで都度大騒ぎしていたら、不動産オーナーとしては実が持ちませんから、悪質な滞納かどうかの判断が大事になります。

では、明らかに悪質な滞納であったり、悪質でなくても回収の見込みが薄い場合はどのような対応方法があるのか、主なものを時系列で見てみましょう。

管理会社へ相談、または賃借人に連絡をする

滞納が1カ月以内であれば、まずは借主に連絡をするようにしましょう。
契約上、滞納があれば契約を解除できるとありますので、すぐにでもビジネスライクな対応をする事も可能ですが、先ほども申し上げたとおり、うっかりに対して都度大げさな対応をしていたのでは大きな労力が必要になります。

まずは毅然とした態度で、滞納分の支払に応じるようにまずは自分が動く、または管理会社へ相談するようにしましょう。

連帯保証人、保証会社への連絡を行う

1か月ほど待っても滞納が続くようであれば、連帯保証人へ連絡をしてみましょう。
連帯保証人は借主にとって親しい間柄である場合がほとんどですので、「連帯保証人に連絡をする」と告げた時点で、連帯保証人に知られたくないということで何とか支払いをしてもらえる場合もあります。

連帯保証人ではなく保証会社を利用している場合には、酌量の余地なく請求される事となります。
借金の取り立てのようで気が引けるかもしれませんが、不動産経営にとっては「滞納は敵」とまで言う人もいるくらいですので、しっかり対応するようにしましょう。
利用している保証会社によっては免責条項がありますので各保証会社の免責条項の内容も事前に確認しておくとよいでしょう。

【関連記事】民法改正「連帯保証人の保証額の上限」編 賃貸経営にどんな影響が?

内容証明の送付

内容証明とは「いつ」「誰に」「どんな内容」の書類を送付したかという事を証明するための郵便です。
つまり、この書面に「これ以上未納の家賃を支払わないなら契約解除の上で退去してもらいますよ」という事を書いた内容証明を送ることが大事になります。

これは、「私はしっかり督促をしました!」という法的な証拠としてしっかり効力を発揮するものですので、次のステップに行く前に必ず送付する必要があります。
ただ、内容証明も記載内容や記載方法に多少の知識が必要となりますので、不安な場合は司法書士や弁護士に相談する方が良いでしょう。

賃貸契約の解除

上記まででおおよそ3か月近く経過している事かと思いますが、ここまででも尚、支払いを行わない場合はいよいよ賃貸契約の解除通知を行います。
ここは少々勇気がいる場面かもしれません。
契約解除を行うということは、「これ以上の家賃の支払いはもういらないから、退去してください」という事と同じだからです。

もちろん、滞納分については引き続き請求を行えますが、無言で立ち去られてどこにいるか分からないですとか、既に退去済みの人に対して引き続き支払いを求めていくとなると、事が大きくなり泥沼化する可能性が高くなります。
事実、契約解除後は滞納分を泣き寝入りするオーナー様も多くいらっしゃいます。

裁判、強制執行

裁判や強制退去に至るまでを経験する事はほとんどないでしょうが、あり得るお話です。
賃貸契約解除となれば、決められた期日までに確実に退去してもらう必要がありますが、かなり悪質な滞納者の場合、そのまま居座り続ける場合があります。
少し前までは、「占有権」というものを主張して居座り続けるといった問題が報道されたこともありましたが、そもそも占有権と所有権では全く意味合いが違いますので、占有権よりも所有権が強いと考えて問題ありません。
立ち退かない場合は裁判を起こして、強制的に退去してもらいましょう。

滞納への対処も一歩間違えると…

ここまで、滞納への対処方法を解説させていただきました。
しかしながら、滞納への対応も方法を間違えるとこちらが損を被る場合がありますので、以下のような注意が必要です。

必ず早めに対処を行う

何カ月も滞納があってから契約解除になったとすると、上記までにも申し上げましたとおり、滞納分を諦めないといけなくなる場合が往々にしてあります。
しかも、何カ月も滞納を放置してから連帯保証人に連絡をしたのでは、「なぜそんなに放置していたのか!」と、余計なトラブルにもなりますし、昨今の法改正にて連帯保証人の債務にも上限が設けられることになりましたので、とにかく早めのアクションが必要であるという事を覚えておきましょう。

【関連記事】民法改正による不動産オーナーへ影響を分かりやすく解説!

毅然と対応するか、事情を酌むかは話し合いで決める

不動産経営を、あくまで「経営だから」と毅然と対応するのも良いでしょうが、場合によっては多少は事情を酌む必要があるかもしれません。
とはいえ、改めて申し上げますが、滞納者が悪質な場合は事情を酌みすぎても問題が長期化する可能性もあります。
だからといって、毅然とビジネスライクで対応しすぎると暴力事件などに発展する可能性もありますので、まずは初期対応で話し合いをすることをオススメします。

カギは勝手に変えてはいけない

滞納が続けば、これ以上室内には入ってほしくないという気持ちになるのも十分に分かりますが、ただ、勝手にカギを変えたり、家の中に入って荷物を処分したりするのは違法行為にあたりますので、逆に訴えられてしまうケースがあります。
実際にカギを変えてしまって大きな問題に発展したケースも多々ありますので、まずは話し合いから始めるという事を肝に銘じておきましょう。

家賃滞納は冷静、且つ早急に対応することが重要

家賃滞納に対する対応は不動産オーナーにとってホントに気が滅入る大変な作業です。
これは、法律上の様々な解釈から、自分が良い行為だと思っていても実は立派な違法だったということもあり、先ほども申し上げたとおり、逆に訴えられたりする場合があるからです。
弁護士へ相談したり、自分なりに対応方法を検討してみたりと、かなりの労力が必要になりますので、大事になってしまう前に早めの対応と毅然とした態度で対処するように心がけると良いでしょう。

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