2017.10.12

消費税増税で賃貸経営に影響は?衆議院解散と不動産の関係

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本記事の執筆時点である2017年10月現在、世間は安倍総理による突然の衆議院解散と、小池都知事を代表として旗揚げされた希望の党と自民党の対決が注目を集めて連日報道されています。

その中で争点の一つとされているのが「消費税増税」です。
増税後の消費税の使途変更について是非を問う選挙になるという意見や、希望の党による増税凍結の公約が票を集めるだろうという見方もあり、投開票が近づくにつれて様々な憶測が飛び交い、報道も過熱してきています。

さて、これまでに不動産取引における様々な税金について解説させていただきましたが、私たちの生活の中で最も身近な税金である「消費税」は、不動産取引でどのように関わってきているのか、そして今回の選挙の結果でどのような事が予想されるのかといったところをお話させていただきます。

あまり知られていない不動産の非課税取引とは?

まず最初に、「土地の売買は非課税なんです!」と言われて、どう感じますでしょうか。

眉唾だと思う方もいらっしゃるかもしれませんし、「そんなの常識!」なんて思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこの事実は意外なことにご存知ない方が多く、若しくは勘違いされがちな事でもあるのです。

消費税が課税される前提

そもそも消費税が課税される前提として以下を条件を満たしている必要があります。

「国内において」
「事業者が事業として」
「対価を得て行う」
「資産の譲渡等の取引」

よって、不動産取引の中にはこれらの条件に当てはまらないものもあるわけです。
まず、「個人として行われる取引」という点で考えると消費税はかからないという事になります。
事業者や事業の定義については国税庁のホームページにも記載がありますが、「個人事業主や法人が対価を得て、資産の譲渡等を繰り返し、継続、独立して取引を行うこと」としています。

参考:国税庁「事業者とは」

また、「対価を得て行う資産の譲渡等」というのは、その名のとおり、「対価と交換に譲渡、消費されるもの」ですので、消費されないものには課税されないという事になります。

不動産取引の消費税課税、非課税一覧

では、不動産取引の種類をこれらの条件に当てはめた時に課税されるものと課税されないものを一覧で確認してみましょう。

新築一戸建て:課税
新築マンション:課税
中古戸建:非課税
中古マンション:非課税
土地:非課税
投資用物件(戸建て、マンション含む):課税

中古の物件と土地の取引が非課税となっていますが、これらは上記までにお話させていただいた条件に当てはまらない部分があります。

まず、中古物件の取引ですが、これは「事業者が繰り返し、継続、独立して行う取引ではない」という事が前提になります。

そして土地の取引。
これは言うまでもなく、「消費財ではない」という事が理由となります。

「じゃあ、マッサージなどの何も消費しないものに何故、課税されるの?」と思われるかもしれませんが、これは「サービス」というものを消費しているため、課税対象となります。

つまり、不動産業者へ支払う仲介手数料には課税されるという事を思い出してみると、なるほどと思えるかもしれません。
こちらもやはり、国税庁のホームページにも以下のようにしっかり記載されています。

「消費税の課税対象は、国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡、貸付け及び役務の提供と外国貨物の引取りです。」

引用:国税庁「消費税のしくみ」

この「役務」というのがサービスにあたるわけで、人の行うサービスを消費しているということが課税の理由となるわけです。
考え方について掘り下げるとキリがありませんので、まずは「土地と中古物件の取引」は非課税であるという事で把握していただければと思います。

家賃が非課税なのは何故?

さて、不動産取引の中でもう一つ非課税のものがある事にお気づきになられましたでしょうか。
それは「家賃」です。

これまでに賃貸物件にお住まいになったことのある方で「2DK家賃8万円(税込)」と書いてある募集物件を見た事があるという方はいらっしゃらないかと思います。

もし消費税を日本の全国民に当てはめるとしたなら、税金を払う事が難しい赤ちゃんや障害者もいらっしゃるでしょうし、生活をする中で最低限必要な物については配慮してもらわないと生活が困窮する事に繋がります。

特に、家賃という、生活費の1/3ほどを占めるものに課税されるとしたら尚更です。

そこで、消費税導入当初は課税されていた家賃については、以下のような理由から非課税となりました。

「消費に負担を求める税としての性格から課税の対象としてなじまないものや社会政策的配慮」

引用:国税庁「非課税となる取引」

尚、敷金や保証金といった返還されるものについては「資産の譲渡」には当たらないため非課税です。
では、返還されない礼金や共益費、管理費といったものについてはどうでしょうか。

実は「判断が分かれる!」ているという見方をされる方もいらっしゃるのですが、国税庁のホームページにある以下の表記を確認する限りでは、非課税と考えて問題ないでしょう。

(3) 対価たる家賃の範囲
イ 家賃には、月決め等の家賃のほか、敷金、保証金、一時金等のうち返還しない部分を含みます。
ロ 共同住宅における共用部分に係る費用(エレベーターの運行費用、廊下等の光熱費、集会所の維持費等)を入居者が応分に負担する、いわゆる共益費も家賃に含まれます。

引用:国税庁「住宅の貸付け」

消費税が増税されても心配ないというのは嘘!?

「不動産取引で消費税のかからないものがある」という事を改めて考えてみると「そういえば…」なんて気付きのあった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

消費税が10%に増税されたら

本記事の執筆時点で行われている衆院選ですが、選挙の結果、10%への増税が確定する事となったら、不動産オーナー様にとってどのような影響が出るのでしょうか。

現時点では、自民党勝利になった場合「消費税10%がほぼ確定」という事になるため、不動産取引において直前の駆け込み需要などが起こるだろうと言われています。

また、小池都知事を筆頭とする希望の党が多くの議席を獲得した場合、「増税の凍結」の可能性が高まるため、不動産市場が冷え込むといった見方をする方もいらっしゃいます。

では、不動産オーナー様にとってこれらがどのように影響するかという点ですが、上記までにご説明させていただいたとおり、家賃には消費税が課税されません

よって、「消費税が10%だろうがドイツのように19%になろうが痛くも痒くもない!」と言いたいところなのですが、そうは言えません。

確かに家賃は非課税です。
では、賃貸経営に関わる他の部分はどうでしょうか。

・管理会社に支払う管理費
・物件管理の為の清掃、点検といったサービス
・税理士への支払手数料
・退去による修繕費用

他にもまだまだありますが、つまり家賃以外の部分にはほぼ消費税が課税されるわけですから、結局のところ、増税に痛みを伴うのは不動産オーナー様も同じなのです。

むしろ、入居者に対して「消費税が上がったので家賃を上げます」と言えないのに、ほかの部分はしっかり増税による影響が出るというのでは、給料は上がらないのに税金が高くなったという一般的なサラリーマンと変わらないとも言えるでしょう。

消費税と賃貸経営まとめ

これまで、選挙のたびに消費税が争点とされてきましたが、今回の選挙においてもやはり消費税が一つのポイントであるとして多くの報道機関が自民党と希望の党の公約を比較し、論じています。

今回の対決が「アベノミクスVSユリノミクス」という様相で、公約の違いがハッキリしてきた頃ではありますが、「内部留保に課税を!」「真の地方分権!」といったものを打ち出している点においては、これまでの選挙とは様子の違うものと言えるでしょう。

選挙の結果次第で不動産市場にも大きな影響が出るという見方をしている記事も見かけますが、これを機会に、過去の選挙と不動産市場における変化を分析してみるのも面白いかもしれません。

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