賃貸ユーザーの心理を推察。入居募集に力を入れるべき時期や方法

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これまでに、空き室対策や入居率を上げるためのコツといったお話をいくつかの記事にて解説させていただきましたが、今回のお話もまた、賃貸オーナー様にとって大事なお話となるでしょう。

今回は、空き室が埋まりやすい時期や、入居者募集に力を入れるべきなのはどんな時期なのかといった事を解説させていただきたいと思います。

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賃貸ユーザーは物件を吟味しない?

まず、賃貸ユーザーである方はどのくらい不動産店を回り、どのくらいの物件を検討するのでしょうか。
「リクルート住まいカンパニー」による面白いデータがありますので、そこから賃貸ユーザーの心理を推察してみたいと思います。

訪問する不動産会社の店舗数

「訪問する不動産会社の店舗数(平均)」
 

部屋探しの店舗数

ひとり暮らし 1.6店舗
学生 1.5店舗
社会人 1.6店舗
ファミリー 1.5店舗

参考:リクルート住まいカンパニー「2016年度賃貸契約者に見る部屋探しの実態調査(首都圏版)」

予想では、せめて2~3店舗は訪れるのではないかと思われていた方も多いのではないでしょうか。
そんな憶測とは裏腹に、2店舗も訪れていない方が多い結果となっています。
データによると、学生からファミリーまでの4~5割の方が1店舗しか訪れておらず、意外な結果だと言えるかもしれません。

ここで推測できるのが、「1店舗の中で多くの物件を内見するのではないか?」という事かと思います。
実は、同調査では「物件の内見数」についても調査を公表しており、以下のような結果となっています。

物件の内見数

「内見した物件数(平均)」
 

全体 3.1件
ひとり暮らし 2.9件
学生 2.7件
社会人 2.9件
ファミリー 3.0件

参考:リクルート住まいカンパニー「2016年度賃貸契約者に見る部屋探しの実態調査(首都圏版)」

以上の結果をどのように見るかは人によって見解は分かれてくるかもしれませんが、筆者の経験すると「以前と比べて少なくなった」という感想です。
全体として内見する物件数の平均が3件ほどで、その中から契約する物件を見つけられるものなのか疑問に思えるところですが、その要因を探るために他のデータも見ていきたいと思います。

賃貸ユーザーが物件探しにかける時間

賃貸ユーザーの方が訪れる不動産業者数も実際の物件の内見数も、思うほど数は多くないという結果を見てきましたが、では、引越しをしようと決めてから実際に物件を契約するまでにどのくらい時間をかけているのでしょうか。
同じく、リクルート住まいカンパニーによる調査結果から、2014からの3年間における平均日数を見てみましょう。

物件探しにかける時間

「物件探しにかける時間(全体平均)」
 
2016年 18.7日
2015年 22.1日
2014年 22.8日

参考:リクルート住まいカンパニー「2016年度賃貸契約者に見る部屋探しの実態調査(首都圏版)」

印象としては物件探しにかける時間は年々短くなっているような印象ですが、2016年においては前年よりも3日以上短くなっています。
要は、物件探しに半月程度の時間で契約に至っているという事ですが、これもまた「決断が早くなったな」という印象を受けます。

売買物件と違って、賃貸の引越しに際しては様々な事情があってのものですので、じっくり時間をかける方のほうが少ないだろうという事は想像に難しくはありません。
では最も契約までの時間が短いのはどの世帯であるかも見てみましょう。

「物件探しにかける時間(世帯別平均)」
 
ひとり暮らし 16日
学生 8.4日
社会人 17.2日
ファミリー 20.9日

参考:リクルート住まいカンパニー「2016年度賃貸契約者に見る部屋探しの実態調査(首都圏版)」

この結果は逆に頷ける結果になっていると言えます。
学生に関しては大学受験後の初めての一人暮らしというケースが想定されますので、物件探しにそこまで時間をかけられないのだろうという事がよく分かります。

逆に、ファミリー世帯を見ると、20日ほどの時間をかけて契約に至っています。
学生と比べて2週間ほど長く時間をかけているという事ですが、これは、現在の住まいという安定した土台があり、急な事情でもない限り時間に余裕があるため物件探しもじっくり行う人が多いのではないかと推測できます。
1人暮らしや社会人の方に関しては、学生ほど急かされるわけではないが、ファミリーと違って自分自身に決定権があるということから上記のような日数で契約に至っているのではないかと推測できます。

データから考える入居募集に力を入れる時期と方法

さて、賃貸ユーザーが物件探しでどのくらいの店舗を訪れ、どのくらい内見を行うのか、そして物件探しそのものにかける時間はどれほどかということを見てきました。
これらを全体的な視点でまとめると以下のように言う事ができるのではないでしょうか。

「賃貸ユーザーは物件探しを始めてから約20日以内に、訪れた不動産業者1社で2~3件の物件を内見して契約に至っている。」

改めて申し上げますが、筆者の経験からすると、随分と賃貸ユーザーの決断力が向上したものだと感じる結果ですが、そもそも20日ほどの時間で1社か2社しか不動産業者を訪れていない、または2~3件しか内見をしていないというところが少々疑問です。

賃貸ポータルサイトが充実

ここには時代の変化とも言える「インターネット」が関係していると言えるかもしれません。

テレビコマーシャルでもよく見かけるようになった「スマホで検索」という賃貸物件の探し方が、これまでの物件探しの方法に取って代わって、かなりポピュラーになってきました。

同様にPCの賃貸ポータルサイトの充実ぶりを見る限りでも、大変便利になった印象を強く受けます。

居住用の賃貸物件を所有される不動産オーナー様にとって、これらの結果を好機とすべきかどうかは判断は分かれるかもしれませんが、少なくとも時期を狙ってスピード感のある入居募集が必要になってきたと言えるものかもしれません。
例えばこのように考える事ができます。

「入居募集を行う時期を、一年中、一定額の広告料を支払ってずっと募集をしているよりも、引っ越しシーズンを狙って多くの不動産業者に客付けの依頼をする。」

まず以上の方法を取るとすれば、なかなか入居者が決まらないままダラダラと募集をするよりも広告費用が安くなるメリットがあります。
また、「賃貸ユーザーは1件ほどしか不動産業者を訪れない」という結果からしても、入居募集の仲介を依頼する不動産業者はなるべく多いほうが良いという風にも考えられます。

一般的に認知されている引っ越しシーズンの2~4月、そして転勤や異動の多い9月と10月といった時期には特に力を入れて入居募集を行うべきと言えるのではないでしょうか。

入居募集まとめ

いかがでしたでしょうか。
単にデータとして見るだけでも興味深いものがありますが、筆者の経験も踏まえて、上記までのデータから考えられる効率の良い入居募集の方法という結論を出してみました。
また、上記までの方法ではないにしても、効率良く入居募集をかけることで家賃の減額交渉が入らなくて済んでいるという凄腕オーナー様のブログなども拝見する事があります。

以前に別の記事にて、引っ越しシーズンになると賃貸を主に生業とする不動産店舗には、満席どころかお店の外にまでお客様が並ぶようなこともあるとお伝えしましたが、これは誇張ではなく、本当にそのような時期があるのですから、あまり不動産に関わりの無い方ですと眉唾のお話に感じられるかもしれません。

とはいえ、空き室問題が騒がれる昨今ですから、入居募集の方法や時期については、これからも様々な工夫が必要になってくるでしょう。
不動産に限らず、物を売る、手に取ってもらう、契約してもらうという結果に結びつけるには、まずは多くの人の目に付くようにすることです。

その多くの人の目に付く時期が引っ越しシーズンなのであれば、その時期に大掛かりなリフォームを行い、多くの不動産業者に自身の物件情報を置いてもらうように手配するなどするのが良いでしょう。
少々手間でもその時期の入居募集には特に力を入れるべきであるというのは、あながち間違った見解でもないのではないかと考えます。

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