2017.11.7

土地をめぐる大阪市と一般社団法人の訴訟対決!

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不動産に関する事故や事件は日ごろから多くニュースで取り上げられていますが、そのほとんどが一般の方の起こしたトラブルであったり、不動産業者との間でのトラブルであったりということが多いため、特殊な例を除いて公共機関や自治体を相手方とする不動産トラブルのニュースを見ることはさほど多くはありません。

安倍首相と森友学園に端を発した「モリカケ問題」は記憶に新しいところかと思いますが、実はその裏でひっそりと自治体と一般社団法人による不動産土地に関する争いが勃発していたのです。

今回は、気になるニュースから何が起こっているのか探ってみました。

大阪市と城東鶴見工業会の争いの概要

事の始まりは2007年に、大阪市が一般社団法人である城東鶴見工業会(以下、鶴見工業会)の所有する土地の買い上げを申し入れたことがキッカケとなりました。

この時、大阪市は区役所や図書館、老人福祉センター、その他施設が一体になった複合施設の建設を計画しており、その場所に鶴見工業会の所有する土地があったのです。

鶴見工業会は売却の意思はないと断っていましたが、大阪市の強い要望と、市民の役に立てるならということで代替地の提案を条件に検討を始めます。

しかしながら、工業会の希望する土地は見つからず、話は「賃貸借契約」に切り替わります。
まさに今回の騒動はこの賃貸借契約についてなのです。

大阪市と城東鶴見工業会の争いの時系列

2008年

2008年、大阪市は鶴見工業会に対して地代を月に133万円支払う代わりに、鶴見工業会が大阪市の建設する複合施設内の一部である500㎡を賃料月137万円で貸し付ける「相互賃貸」の提案を持ち掛けます。

鶴見工業会もこの件に関しては一度詳しい話を聞きたいと前向きな姿勢で説明を求め、2009年に再度協議が行われますが、このあたりから大阪市の説明する内容に変化が現れます。

2009年

2009年の最初の協議では、鶴見工業会が300~400㎡を借りたとすると345~350万円ほどの収益が発生すると説明しています。
収益については、最初の説明より良くなっていますが、面積について100㎡ほど縮小しています。
その後、同年に行われた協議でも鶴見工業会に借りてもらう部分は約425㎡であるとの説明もされています。

2010年

そして2010年、今回の問題の根幹になるであろう基本合意書が締結されます。
この基本合意書のポイントは後述でもご紹介させていただきますが、この時の合意書の内容には、「貸し出す面積は375㎡である」との条文があり、更に「お互いの賃料に差分が生じた場合は金銭清算を行う」との条文があります。

つまり、最初の500㎡という提案から125㎡も縮小しているのです。

しかしながら、大阪市を信頼していた鶴見工業会は以下の内容の基本合意書に対して同意をしていますが、更なる詳しい説明を求め、まだ賃貸借契約を結ぶには至っていません。

2012年

2012年、大阪市は更におかしな提案を鶴見工業会に持ち掛けます。
なんと、鶴見工業会から借り上げる土地690㎡に対して1㎡あたり823円の賃料を支払うとの賃貸借契約書を大阪市が提示したのです。
鶴見工業会が得られる月の収益は月に57万円弱となります。

2013年

しかも2013年に提示される覚書には、鶴見工業会に貸し出す建物の面積は353㎡との記載があり、2010年の合意書から更に20㎡以上も縮小しています。

2015年

その後2015年には1㎡819円と更に地代が安くなった提案をされています。

最終的に大阪市は鶴見工業会に対して提示した、鶴見工業会へ貸し出す施設の賃料を「月105万円/共益費9万4千円」と記載された書面を提示します。

この時点で、大阪市と鶴見工業会の相互賃貸による賃料の差は、約70万円にもなり、鶴見工業会が一方的に不利になる内容となっているのです。

大阪市と城東鶴見工業会の争いの何が問題?

まずは、今回の問題について概要をご説明させていただきましたが、ここまでで問題だとされている部分をまとめてみましょう。

大阪市が鶴見工業会に貸し出すと言っていた施設の面積が、最初の提案500㎡から段階的に引き下げられ、最終的には353㎡とされている。

 

同じく大阪市から「年間300万円以上の収益が見込める」という話があったにも関わらず、最終的な話では鶴見工業会が月に58万ほどを大阪市に支払わなければいけない差分が生じており、年間690万円もの金額が鶴見工業会の負担となる。

差分が生じないように賃料を調整してチャラにする

この2点を問題の中心として、実はまだ大事な問題があるのです。
それは、「大阪市と鶴見工業会との間での相互賃貸の賃料は、差分が生じないように賃料を調整してチャラにする」という話が最初にあったことです。

2009年の協議内容の記載された書面にでは「土地と建物賃貸料は、不動産鑑定士による算定に基づいて計算後、両者の賃料が同額となるよう修正する。」とされていますし、そのように説明があったとのこと。

それは2010年の協議内容の記載された書面でも同様に、「土地と建物賃貸料は、相互に相殺することを目的として進めている」と記述されています。

ただし、これらの協議書の内容の中に所々現れる「大阪市不動産評価審議会」や「その他大阪市内部の委員会」といった存在が承認することが前提との記載されているのが気にかかるところです。

どちらにしても、最終的には上記にご紹介させていただいたとおり、チャラになるどころか、鶴見工業会が年間で690万円もの負担を強いられる結果となっており、到底承認できるものではないということは誰が見ても明らかでしょう。

大阪市の回答

当然、これには鶴見工業会も不満を募らせるだけではな足らず、大阪市に説明を求めますが、それに対する回答がまた驚きの内容になっています。

「当時の担当者に聞いたが、チャラにする事は約束していない。」
「大阪市から相互貸借の提案はしたが、ピッタシかどうかは分らない。」
「不服なら裁判をしてもらうしかない。」

つまり、チャラにするとは言っていないし、相互賃貸もチャラになるかどうかは分からないと、突然態度を豹変させるような回答をしているのです。
鶴見工業会はこういった対応に対して、当初の約束を守るようにと各所に要望書を提出し、大阪簡易裁判所へ申し立てと鶴見工業会が一歩引く形の提案をするなど柔軟に対応しますが、大阪市側の態度は変わらず「応じられない」との一点張りの状況が続き、解決には至っていません。

大阪市と城東鶴見工業会の争いの現在の状況

上記までの内容は、各種メディアによる報道内容や、大阪市の住民監査請求の内容から抜粋しまとめたものですが、大阪市監査委員も本件に関しては大阪市の対応は不当であり違法であると認めています。
しかしながら、本件の内容や提出された書類が要件を満たさないという理由から、住民監査請求自体は却下されています。

そして、本記事執筆現在である2017年、既に複合施設は完成とオープンを迎えましたが、本件の解決の糸口は見えないままで、逆に大阪市が鶴見工業会に対して、「鶴見工業会が入居していれば得られたはずの賃料を損害として請求する」という内容の提訴まで行っています。

参考:訴訟の提起について(市民局関係)

鶴見工業会は、すでに元々入居していた建物を解体して大阪市に土地を貸し出しており、現在は別の場所に事務所となる建物を賃借しており、その賃料により大きく利益が減少しているとも言っています。

今回の複合施設に入居しようにも、入居してしまえば提示された賃料の支払いに応じなければならず、かといって工業会を解体するわけにもいかずという八方ふさがりの状況が続いている、そんな悲しい現状が続いているのです。

大阪市と城東鶴見工業会の争いの概要まとめ

大阪市の対応と、権利関係、そして鶴見工業会の立場を考えると本件は泥沼化していくことは容易に想像でき、今後の動きに注目していきたいと考えております。
今回はまず、問題の概要と現状までをご紹介させていただきました。
詳細は以下のリンクである、住民監査請求の通知にて確認することができます。

参考:住民監査請求について(通知)

次回は、本件に対する世間の反応と、大阪市や鶴見工業会の発言などを探っていきたいと思います。

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