2017.11.9

セットバックとは?意味や理由を解説。買った土地が狭くなる?

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普段何気なく歩いている道の途中、一本の道なのに突然道幅が狭くなる場所を通ったことはないでしょうか。
若しくは、それまでずっと同じ道幅だったのに、1軒だけ道にハミ出している家の前を通ったという経験がおありの方もいらっしゃるかもしれません。

実はこれ、「セットバック」と呼ばれる、建築基準法に則った道路整備を進めた結果であり、いたずらに建物や土地を道路に突き出させているわけではないのです。

一本道の途中に出っ張った家や土地があるのを見ると、誰でも違和感を感じるところがあるかと思いますが、道路整備を進めたのに何故出っ張った家のある道になってしまうのでしょう。
今回はセットバックとは何か、なぜデコボコの道になってしまったのかといったところを、基本知識と一緒に解説させていただきます。

道路の定義とは

まず、道路には建築基準法上の定義として「4m幅のものが道路です」と決まっているのをご存知でしょうか。
もし、ご自宅の近くに車2台がすれ違う事も出来ない道幅の道路があったとしたなら、間違いなく4m未満の「道路ではない道路」です。
実際の建築基準法で道路を定義している条文は以下のとおりです。

第四十二条
「道路」とは、次の各号の一に該当する幅員四メートル以上のものをいう。
 
引用:e-Gov「建築基準法」

「各号の」というのは、道路法や都市計画法、区画整理法などになりますが、まずは道路と認められるのは4m以上の幅のものという事で理解していただければ問題ありません。
正確には、道の両端にある家と言うのは、道の中心線から2mずつ離れていなければいけないということです。

そうなると、先ほど申し上げた車2台がすれ違えない幅の道は道路ではないという事になりますが、そのような道はご近所にいくらでもあるかと思います。
しかし、実はそれらも道路と認められる場合があります。

それに関連する条文が以下です。

第四十二条二項
 
この章の規定が適用されるに至った際現に建築物が立ち並んでいる幅員四メートル未満の道で、特定行政庁の指定したものは、前項の規定にかかわらず、同項の道路とみなし、その中心線からの水平距離二メートルの線をその道路の境界線とみなす。
ただし、当該道がその中心線からの水平距離二メートル未満でがけ地、川、線路敷地その他これらに類するものに沿う場合においては、当該がけ地等の道の側の境界線及びその境界線から道の側に水平距離四メートルの線をその道路の境界線とみなす。
 
引用:e-Gov「建築基準法」

何を言っているのかというと、「4m未満の道路でも市区町村の指定した道であれば道路とみなします。もし片側が崖や川などなら、そこから4mの幅をもって道路とみなします。ただし、これら4m未満の道は、道の中心から2m離れた場所が境界線としますよ!」という事を言っているのです。

よって、ご近所の4m未満の道を、車や自転車、そして人が問題なく道路として使うことができて、更にきれいに整備されているのは、この条文があるおかげなのですね。

2項道路

尚、主に不動産業界では、この4m未満の道で特定行政庁が指定した道の事を、42条2項の条文からとって「2項道路」や「みなし道路」と呼んでいます。

いつか誰かと道を歩いている時に「この道は正確には道路じゃないんだよ。でも市区町村が認めていれば2項道路という扱いで道路とみなされるんだよ」なんてマメ知識をお話してみると、ちょっとインテリジェンスを感じさせるかもしれませんね。

セットバックは強制的な義務!?

さて、道路の定義についてはご理解いただけましたでしょうか。
ここからは本題となる「セットバック」についてです。

冒頭で申し上げた、本来はきれいな一本道になるはずなのに、途中で出っ張った土地のある道。
これは、周りの家が4mの道を確保するために土地の境界線を後退させた、つまり道路の中心線から2mのところが境界線になるように自分の土地を削ったものの、出っ張った土地の所有者がまだ道路の中心線から2m後退していないという結果なのです。

前項のご説明のとおり、その道が「道路」として指定された場合は、基本的に道路の中心線から2m離れた場所が道路の境界線ですから、道路の中心線から1.5mのところに自身の所有している土地の境界線があるのであれば、0.5mを削ったところを境界線として塀を作らなければいけないのです。
この、土地を後退させて4m道路の確保をするということを「セットバック」というのです。

では、もし自分の持っている土地が道路の中心線から2m離れていなかった場合は、直ちに土地を削って塀を作り直さなければいけないのでしょうか。
実はここに、デコボコ道ができる原因があります。

セットバックには色々な解釈があったり、土地の所有者の好意に任されている少々強制力の弱いところがあるため、行政も「ここは道路です!すぐにセットバックしなさい!」とは言えません。

つまり、セットバックするかどうかは土地の所有者の意思によるところが強く、とはいえ、その土地に建っている建物や壁を再建築する際については、セットバックをしてから家を建てる必要があるという、何ともフワフワした決まりなのです。

セットバックをする理由とは?

強制力の弱いセットバック。
明確な判断をする人もあまりおらず、議員ですら「お金にならない話」ということであまり積極的にセットバックを推進していこうという動きもほとんどありません。

ただ、そもそもなぜセットバックをしてまで「4mの道路」を作っていく必要があるのでしょうか。
この解釈には建築基準法の以下のような条文を見ておく必要があります。

第四十三条
建築物の敷地は、道路に二メートル以上接しなければならない。ただし、その敷地の周囲に広い空地を有する建築物その他の国土交通省令で定める基準に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したものについては、この限りでない。
 
第四十三条の二
地方公共団体は、交通上、安全上、防火上又は衛生上必要があると認めるときは、その敷地が第四十二条第三項の規定により水平距離が指定された道路にのみ二メートル以上接する建築物について、条例で、その敷地、構造、建築設備又は用途に関して必要な制限を付加することができる。
 
引用:e-Gov「建築基準法」

中古の戸建てを紹介するようなテレビ番組で、物凄く安い物件だけど、再建築ができないという家を見たことはないでしょうか。
それらは実は、以上の条文に抵触している物件であることが往々にしてあります。

防犯上に問題があるといったことが理由

上記の条文を分かりやすく言うと、「建物を建てるなら、その土地は道路に2m以上接していなければならない」「道路に2m接していない土地にある建物には、建築上の制限を掛ける事ができる」という事を言っているのですが、条文の中に登場する「交通上」「安全上」「防火上」「衛生上」というのがポイントとなります。

つまり、建物を建てたとしても、道路に接していないがために消防車が入れない、いざという時に逃げられない、見通しの悪い場所にあるため防犯上に問題があるといったことが理由で、上記の条文があるのです。

セットバックとは、何も「車が通りやすい道にしよう!」という事だけを目的に行われているのではなく、こういった様々な災害に対応するために建物間に広い空間を持つという事が目的なのです。

セットバックまとめ

セットバックの意味や、ご近所にあるデコボコ道の理由はご理解いただけましたでしょうか。
先ほども申し上げましたとおり、セットバックには様々な解釈があり、一概に「絶対セットバックすべき!」とは言い難いものです。

実際、セットバックしないまま再建築をしているような家もたくさんありますし、道が広くなることで車通りが激しくなることの方が危険だという方もいらっしゃいます。
また、古い町並みであれば、セットバックする事で歴史的な景観を損ねるといった事情もあります。

地方自治体はどうしても、街の構図を賽の目のようにしたがる傾向にありますが、車社会であることや街の景観など、住人にとって本当にセットバックが必要なのかといった課題をクリアしながら進めていかなければいけない。
そんなセットバックのジレンマの解消には、まだまだ長い年月が必要だと言えるかもしれません。

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